連載第45回/スイミングラダーについて考えてみよう
夏も本番になり、ボートでクルージングしているだけでは暑さをしのげなくなってきました。太陽光線が直射し、暑さが頂点に達すると、誰もがきれいな海に飛び込んでみたくなるものです。
スキーチューブ、ウェイクボード、水上スキーなど、水に入って遊ぶ機会が増えると、ボートへ戻るための装備が重要になります。そこで必要になるアイテムが、スイミングラダーです。
スイミングラダーが必要になる理由
以前は、モーターボートといえば水上スキーに憧れていたものですが、今では誰でも手軽に遊べるウェイクボードやスキーチューブが、モーターボート遊びの代表的な楽しみ方になっています。
海へエントリーする機会が増えると、水中からボートへ戻る場面も増えます。船べりから腕の力だけで上がろうとすると、遊んで疲れた体には大きな負担になります。
特にスモールボートでは、トランサムの高さやガンネルの位置によっては、水中から船上へ戻るのが想像以上に難しい場合があります。安全面からも、スイミングラダーは実用的な装備といえるでしょう。
25フィート以上のボートとスモールボートの違い
輸入艇をはじめとした25フィート以上のボートでは、トランサムエリアにスイミングラダーが標準装備されているものが多くあります。
一方、スモールボートでは、スイミングラダーがオプション扱いであったり、自分で用意しなければならなかったりする場合があります。そのため、ボートの使い方に合わせて、後付けラダーを検討することになります。
スモールボートへの設置方法は大きく2種類
スモールボートにスイミングラダーを設置する方法は、大きく分けて2通りあります。ひとつはトランサムに固定するタイプ、もうひとつはガンネルに掛けて使う折り畳み式ラダーです。
トランサム固定式スイミングラダー
安定性に優れた固定式ラダー
ひとつ目は、ボートの真後ろであるトランサムの縦面に、固定式のスイミングラダーを設置するタイプです。
ラダーの設置は一見簡単そうに見えますが、実際には船体の重心バランスや取付強度を考える必要があります。船体に穴を開け、強度補強のためにあて木を入れ、ボルトでしっかり固定するなど、ある程度高度な作業が必要です。
また、防水シール加工をきちんと行わないと、船内に水が侵入する可能性があります。取付場所や船体構造をよく確認し、必要に応じて専門業者に依頼することも検討したい方法です。
固定式ラダーは安定性がよく、フィッシング、海水浴、船外機のメンテナンスなど、さまざまな場面で役に立ちます。経済的に余裕があり、しっかりした装備を求める方には向いています。
固定式ラダーの注意点
注意点として、固定式ラダーにはステップが1段しかないタイプもあります。その場合、水中から上がるときに足場が足りず、どうしてもドライブや船外機まわりに足を載せてしまうことがあります。
プロペラやドライブまわりは危険を伴うため、ステップの段数や水中に入る深さをよく確認して選ぶことが大切です。
ガンネルラダー/折り畳み式ラダー
工事不要で使えるスモールボート向けラダー
もうひとつは、ガンネルラダーと呼ばれる折り畳み式のラダーです。船体への穴あけ工事を必要とせず、ガンネルに掛けて使用できるため、スモールボートでも導入しやすいタイプです。
ガレリック社のアルミラダーなどが有名で、軽量で扱いやすく、必要なときだけ取り付けて使える点が魅力です。
私自身も、10年以上前に17フィートの船外機ボートに乗っていたとき、このガンネルラダーを購入して重宝したことを覚えています。
スイミングラダーの段数選び
17フィートクラスのボートでは3段、18フィート以上のボートでは4段のラダーが実用的なようです。
短いラダーを使用すると、実際にラダーを使って登るときに最初のステップ位置が高すぎて、腕だけの力で体を起こすことになります。遊んで疲れた体にとっては、これは非常に大変です。
理想としては、一番下のステップが水面下50cm以上になるものが使いやすいでしょう。水中にしっかり足を掛けられる段があると、体を引き上げる負担が大きく減ります。
4段でも足りない場合は、ロープなどを加工して段数を下に増やす方法もあります。ただし、強度や安全性を確認し、足を掛けたときに滑らないようにすることが重要です。
安全に使えるスイミングラダーを選ぶ
スイミングラダーは、単に海から上がるためのはしごではありません。水遊びを安全に楽しむための重要な装備です。
ボートのサイズ、トランサム形状、ガンネルの高さ、使用人数、遊び方に合わせて、固定式ラダーにするか、折り畳み式ガンネルラダーにするかを選びましょう。
水中から無理なく上がれる段数と長さを確保し、取付強度や滑りにくさを確認しておくことが、快適で安全なボート遊びにつながります。
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