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連載第49回/ガソリンタンクと燃料メーターについて考える

ボート用燃料計と燃料センダーユニット

ポータブルタンクやビルトインタンクの種類については前号で紹介しました。今回は、ガソリンタンクに付帯する設備や備品、特に燃料メーターとセンダーユニットについて考えてみましょう。

小型船外機用のポータブルタンクを除く通常のプレジャーボート用燃料タンクには、燃料メーター用の電子式センダーユニットが設置されていることが多くあります。このユニットによって、運転席のメーターパネルで燃料残量を確認できます。

燃料センダーユニットの基本構造

燃料メーター用のセンダーユニットは、大きく分けて2つの部品で構成されています。

フロートアーム/燃料を感知する浮き

ひとつは、燃料を感知するフロートと呼ばれる「浮き」です。燃料が少なくなるに従ってフロートは下がり、タンクの底に近づいた時点で、燃料メーターは「E」、つまりエンプティーの状態を示します。

フロートはタンク内の燃料面に合わせて上下するため、燃料残量を機械的に感知する役割を持っています。

抵抗センサー/フロートの位置を電気信号に変える部品

もうひとつは、フロートの上下位置を電気的に計測するセンサーです。このセンサーの内部には、電気信号をコントロールする抵抗センサーが内蔵されています。

フロートの位置に応じて抵抗値が変化し、その信号がメーターパネルへ伝わることで、現在の燃料残量が表示される仕組みです。

ボートの揺れと燃料メーターの表示

ボートが揺れると、タンク内の燃料も揺れます。それに伴ってフロートもゆるやかに動くため、燃料メーターの針も連動して動いてしまうことがあります。

これは燃料計の故障とは限らず、フロート式燃料センダーの構造上、ある程度起こり得る現象です。特に航行中や波のある場所では、燃料メーターの表示が安定しにくい場合があります。

センダーユニットの向きと燃料計の誤差

センダーユニットの方向が正しくセッティングされていないと、スタート時のようにバウが上がった状態で、タンク内のフロートが水平に保たれにくくなります。その結果、燃料メーターに誤差が生じることがあります。

燃料センダーを取り付ける際は、タンクの形状、船体の姿勢、走行時の傾きも考慮して、できるだけ正確に燃料残量を拾える位置と方向を確認することが大切です。

タンクの深さとフロートアームの長さ

センダーユニットがタンクの深さと一致していないと、燃料を正しく計測することができません。

たとえば、60cmまでしか伸びないフロートアームを、90cmの深さがあるタンクに設置してしまうと、実際には3分の1程度の燃料が残っていても、メーター上ではエンプティーを示す「E」と表示されてしまいます。

逆に、90cmまで伸びるフロートアームを60cmの深さのタンクに設置すると、メーターが「E」を示す前にガス欠になってしまう可能性があります。

燃料メーターの減りが早く感じる場合

もし、ボートの燃料メーターの減りが激しく、瞬く間に「E」を指してしまう場合は、フロートアームがタンクに対して短い可能性があります。

その場合は、タンクの深さに合った正しいセンダーユニットへ交換するか、構造上可能であれば、針金などを加工してアーム部分を適切な長さに調整する方法が考えられます。

ただし、燃料タンクまわりの作業は火気厳禁であり、誤った加工は燃料漏れや計測不良につながることがあります。作業に不安がある場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

燃料メーターが作動しない原因

燃料メーターが作動しない原因としては、配線の接触不良、メーター本体の不具合、センダーユニットの故障などが考えられます。

特に多いのが、センサー内部にある抵抗コイルが錆びているケースです。この状態では、正しい電気信号をメーターパネルへ送ることが難しくなります。

抵抗コイルやセンダーユニット内部が劣化している場合は、無理に修理しようとせず、新しいユニットへ交換することが望ましいでしょう。

燃料計は安全航行のための重要装備

燃料メーターは、単に残量を確認するための計器ではありません。航行距離、帰港判断、予備燃料の管理に関わる、安全航行のための重要な装備です。

燃料計の表示が極端に早く減る、Eを示しているのに燃料が残っている、逆にEになる前にガス欠になる、といった症状がある場合は、燃料センダーとタンク深さの適合を確認してみましょう。

ガソリンタンク、燃料センダー、燃料メーターの仕組みを理解しておくことで、燃料残量をより正しく把握し、安心してプレジャーボートを楽しむことができます。

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