エンジンの状態を把握するのに代表的なインストルメントにタコメーターとスピードメーターがあることは前回に解説したとおりだが、前者は、エンジン出力に関するデータを表すものでエンジンの異常を予知したり発見したりするにはデータ量が少なすぎる。
エンジン関係のメーター類には他にも大事なデータを得るためのメーター類があるので解説しよう。
【エンジンアワーメーター】
エンジンの使用時間を示すメーターでエンジンのトータル稼働時間をデジタルで表しているものが一般的だ。
エンジンを始動させる事でスイッチが入り、使用時間が記録される。
自動車のオドメーターと呼ばれる距離計の代わりとして用いられる。
自動車においては、その距離で消耗品類の交換の時期を定めている部品も多い。
ボートにおいては、オーナーがメンテナンス時期を把握するために取り付ける計器で、エンジンの使用時間を消耗品類の交換時期の目安としている。
中古艇でよく使用時間100時間などと云われているものは、このメーターのデータを用いているのだ。
本来の使用方法を考えればあまり意味はない。
また、自動車と違い簡単に設置や交換できるので進水時からの使用時間とは限らないことを覚えておこう。
参考までにエンジンアワー1時間は、自動車で云えば20km前後の距離と同等であると仮定した場合、500時間程度であればこれからがエンジンの実力発揮と云うところだ。
但し、エンジンの大きさや保管方法によっては、必ずしも比例しないので中古自動車と中古ボートの比較には注意すること。
【テンプレーチャーゲージ】
TEMPと書かれているメーターでエンジンを冷却する水の温度を計測する水温計である。
米国製ボートでは、華氏の単位が用いられている計器が多く、水の沸点である摂氏100度は、華氏212度である。
華氏180度前後が正常な状態で、200度を超えている場合は冷却系統に問題があると考えてよい。
そのまま高温で使用するとエンジンが焼け付いてしまうのですぐに点検をしなければならない。
簡単に点検できるポイントは4つある。
インペラ摩耗などのウォーターポンプの異常、冷却水取り入れ口の目詰まり。温度を感知するサーモスタットの故障。
水温計自体の故障だ。これで解決しない場合はエンジニアに任せるしかない。
【オイルプレッシャーゲージ】
OILと書かれているメーターでエンジンを稼働している時のエンジンオイルの状態を表している。
米国製のメーターの単位は圧力を表すPSIで10PSIは0.7kg/uに相当する。
通常エンジンを高回転にすると圧力は増す。針の動きが少ない場合は、エンジンオイルを点検することが必要だ。
40PSI前後であれば問題はない。
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